- スリッページって何?
- スリッページはどんな時に起こるの?
- スリッページが起こる理由は?
- 海外FXと国内FXで違うの?
このような疑問が解決できる記事となっています。
スリッページの意味や特徴、何をすればスリッページを避けることができるか紹介していきます。
FXのスリッページの意味とは?分かりやすく解説
スリッページは取引コスト
FXにおいてのスリッページとは、トレーダーが注文した価格とは若干ずれた価格で約定されてしまうことを言います。
スリッページは英語で「滑る」「ずれ」などのいみがあります。
例えば、100.000円でロングしたと思っても、100.003でエントリーになっていたなど、少しずれた価格で約定されてしまうことがあるんです。
逆指値をしていても、注文よりも不利な価格で約定されてしまうこともあります。
自分の取引したい価格と違う価格で取引しないといけないなんてかなり困った現象です。
スプレッドだけでも大きな取引コストなのに、さらにスリッページの分まで考えなければいけないのです。
スプレッドについての記事はこちらの記事にまとめました。
スリッページが起こる理由
スリッページが起こる理由は、タイムラグが生じてしまうからと言われています。
注文をすると、投資家→FX会社→インターバンク市場(NDD方式)という流れで注文が通ります。
この流れの中で若干のタイムラグが生まれてしまい、注文価格と約定価格がずれてしまうことがあるんです。
FX会社で約定力や約定率が99%を売りにしていたりしているのを見たことがありませんか?
約定力というのはタイムラグの短さと、注文した価格通りに注文が成立する確率です。
なので約定力が高いとスリッページは少ないということになります。
スリッページはどんな時に起こりやすいか
スリッページが起こりやすい時は主にこの2つの状況の時です。
価格変動が激しい時
価格の変動が激しい時はスリッページが起こりやすくなります。
それはどんな時かというと、
- 経済指標発表時
- 災害時、金融危機の時
- 要人発言
このような時はレートが激しくなりやすいので、それに合わせてスリッページも起こりやすくなります。
このような際は値動きのスピードがかなり早いので、大きくずれることも多いです。
さらにスプレッドも広がっていることが多いので、取引コストは相当大きくなることが考えられます。
流動性が低い時
流動性が低いとスリッページが起こりやすくなります。
流動性が高い時は市場参加者が多いので、金融機関からFX会社が受け取るレートが多いのですが、流動性が低い時はその逆で、市場参加者少なく提示されるレートも少ないので、タイムラグが生まれてスリッページが起こりやすくなります。
注文方法とスリッページの関係性
成行注文(ワンクリック、クリック)、IFD、OCO、一括決済などの注文はスリッページが起こる可能性があります。
指値の場合は基本的にスリッページはしませんが、その価格でないと約定することはありません。
ストップロスを入れていても、フラッシュクラッシュやスイスフランショックの時のような急激な動きをした場合、値が飛んで約定価格が大きくずれることもあります。
国内のFXより海外FXの方がスリッページが起こりにくい
スリッページは日本のFX会社よりも海外FX会社の方が起こりにくです。理由は注文方法が違うからです。
多くの海外FX業者は、客の注文をそのままインターバンク市場(FXの市場)に注文してくれるため、直接的な取引ができてスリッページが起こりにくくなっています。
このインターバンク市場直結の取引方法をNDD方式と言います。
NDD方式に対して、多くの日本のFX業者は、客が出した注文はそのままインターバンク市場には流れず、FX会社に入ってからの2段階の取引方法になっています。(カバー取引)
また独自の為替レートで、スプレッドが極端に狭いのが特徴です。インターバンク市場非直結の方式をDD方式と言います。
つまりNDD方式はそのまま注文を通してくれるので、スリッページの原因となるタイムラグが短くなります。
だからNDD方式を採用していることが多い海外FX口座の方がスリッページが起こりにくいと言えます。
DD方式は相対取引で、スプレッドで(小さすぎて儲けられない)訳ではないので、客が損失を出せば出すほどFX会社が儲かる仕組みです。
NDD方式はスプレッドや手数料などで儲ける仕組みとなっているので、客が多く取引すればするほど儲かる仕組みです。
なのでDD方式は不透明とか、操作されているのではないかと言われることが多いです。
例えば、ロスカット狩り、レートずらし、スリッページなど…。
実際私が国内FXを利用していた時は、約定されないことも多く、スリッページも何度も経験しました。
ECN口座はスリッページが起こりにくい
海外FXにはSTP口座(スタンダードな口座)とECN口座があって、ECN口座の方がスリッページが起こりにくくなっています。
STP口座はトレーダーの注文を銀行やLPといったカバー先へ流す取引方法を採用していますが、ECN口座は電子取引所に参加している参加者同士が相互に注文を出し合って、注文を約定する取引方法を採用しているからです。
【FX】スリッページの注意点
スキャルピングをするならスリッページは要注意
スイングトレードは大きな値幅を取りにいくトレードスタイルです。
つまり少しの取引コストはそこまで気になくて良いと思います。もちろん無駄な取引コストは出来れば避けたいですけどね。
その逆で、スキャルピングやデイトレードは取る値幅がスイングトレードと比べて小さいので、取引コストはかなり重要になってきます。
なので特にスキャルピングをする人はスリッページや約定力はかなり重視した方が良いと思います。
スリッページは余計な取引コスト
スプレッドだけでも悩ましい取引コストなのに、スリッページまでとなるとうんざりします。
スプレッドなどの手数料は仕方ないとして、スリッページができるだけ少ない口座を選ぶことはできます。
そうすることで少しでも無駄な取引コストを減らすことは可能です。
【FX】スリッページを減らすには?
NDD方式のFX会社を選ぶ
先ほども説明したと通り、NDD方式ではタイムラグが生まれにくく、透明性が高いです。
つまりできるだけスリッページのない取引をするなら、NDD方式を採用している海外FX口座がおすすめです。
流動性の低い時、値動きが激しい時にトレードしない
スリッページが起こりやすい時に手を出さないというのも大事です。
わざわざ不利になりやすい状況で取引をする必要はないでしょう。
なので経済指標発表時やその他イベントの時は静観するのが賢明だと思いますよ。
許容スリッページを設定する
スリッページの許容範囲をあらかじめ設定しておくことができます。
設定値以上のスリッページの場合は約定されず、設定値以内であれば約定される仕組みです。設定できるのは成行注文のみです。
設定の幅が狭過ぎれば、注文が約定されないことが多くなりますし、広すぎればそもそも設定する意味がありません。
0.3~0.5pips程で設定すれば問題ないかと思います。
まとめ
- スリッページは注文価格と約定価格がずれること
- スリッページは取引コスト
- NDD方式はスリッページが起こりにくい(特にECN口座)
- スリッページが起こりやすい時は、レートが激しい時と流動性がない時
皆さんがスリッページを減らして、上手く資金を増やせていけることを願っています。
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