- 為替相場はなぜ動くの?
- 為替レートが動かない理由は?
- ファンダメンタルズ、テクニカル、実需筋、投機筋って何?
このような疑問が解決できる記事となっています。
FX初心者の方にもわかりやすく為替レートが動く要因、動かない理由について解説します。
【FX】為替レートが動く理由を分かりやすく解説
為替相場が動く理由は様々です。根本的な理由と、様々な理由について分かりやすく解説していきます。
なぜ為替レートは動くの?
為替のレートはいろいろな要因で動きます。1つの理由で動いている訳ではないので、なぜ動いているかの理由は後付けのことがほとんどです。
基本的には人気のある通貨が買われると価格は上昇して、人気がなければ売られて価格は下落します。
例えば、アメリカの経済指標GDPの結果が良いと、国が成長していると投資家が判断して、ドルが買われて為替レートが動きます。
つまり、為替が動くのは「人がそう判断した結果」です。期待している人が多いから上昇して、悲観している人が多いから下落します。
「人がチャートを動かしている」これが相場の本質です。
それ以外にも様々な要因で為替レートは動いているので、1つずつ解説していきます。
需要と供給
円高、円安という言葉を聞いたことがあると思います。為替レートが動く仕組みと関係しているので、ここで説明しておきます。
ドルに需要(人気)があってドルが買われると価値が上がり、ドル高になります。逆にドルが供給されて(不人気)ドルが売られると価値が下がりドル安になります。
ドル円でいうと、ドルが買われて円が売られるとドル高円安、ドルが売られて円が買われると円高ドル安です。
ドル円のチャート的には上昇すればドル高円安、下落していれば円高ドル安です。
1ドル100円から1ドル110円になったらドルが買われて円安ドル高です。100円から90円になったらドルが売られているので円高ドル安です。
1ドル100円から1ドル110円になったら、1ドルを買うのに100円で済んだのに、1ドル買うのに110円もかかってしまうことになります。
円の価値が下がって円安になったから、以前よりも多く払わないとドルを買えなくなります。
1ドルを買うのに100円で済んでいたのに、1ドル買うのに90円で済むのは、円の価値が上がって円高になったから少ないお金で買うことができます。
為替はこの売りたい人、買いたい人の需要と供給で成り立っています。
為替レートを動かしている人たちは、大きく分けると実需筋と投機筋に分けられます。
実需筋
実需筋というのは、投資目的ではない人たちや企業です。分かりやすいのが輸出業、輸入業者ですね。
輸出企業は日本のものを海外で売ってドルを手に入れます。ドルのままだと日本の従業員に給料を払えませんね。なのでドルを売って円を買います。
輸出企業はドルを売り、輸入業者は逆にドルを買います。実需筋は外貨が絡んでいる取引のために、必要だから為替取引をしている人たちのことです。
輸入企業の他に、生命保険会社、海外企業買収の際、海外で投資やビジネスを行う人たちなどたくさんいます。
日本の大企業が巨額で海外の企業を買収したとニュースになると、ドル買いが起こるのではと円安に反応しやすくなります。
実需筋はスワップ金利や為替差益は全く目的としていません。輸入業者や輸出業者の動きを見ると少し為替相場のことが理解できるかもしれませんね
実需筋に対して、為替で利益を上げようとしている人たちを投機筋と言います。
投機筋
為替差益で利益を上げるために、投資や投機目的で為替取引をしている人たちを投機筋と言い、一般の投資家たちのことです。
金儲けの集団と思われそうですが、投機筋は必要な存在です。為替相場は常に動いています。常に動いているからこそ、好きなタイミングで売買することができます。
流動性があるのは投機筋がいるから、投機筋がいないと為替相場は成り立たないと言っても良いかもしれません。
実需筋は売ったら売り切って、買ったら買い切りますが、投機筋は売買したあと、利益確定や損切をさせる反対の取引を必ずしなければいけません。
それを読むことができればチャートの流れがつかめるかもしれませんね。
為替市場の全体のシェアは、マーケットメーカー、機関投資家、地銀や政府銀行、ヘッジファンドなどです。
ファンダメンタルズ
ファンダメンタルズとは国や企業などの世界経済の情勢を表す指標のことです。ファンダメンタルズの情報を元にトレードすることをファンダメンタルズ分析と言います。
経済指標や金融政策
- 経済指標
- GDP
- 雇用統計
- 国際収支
- 物価指数(企業物価指数や消費者物価指数)
- 金融政策(FOMCや日銀金融政策決定会合など)
平日であれば毎日何かしらの経済指標が発表されます。
特にアメリカの経済指標は影響力が大きいので、発表される時間の前後は値動きが激しくなります。時間を確認して、ポジションは決済しておきましょう。
株式のファンダメンタルズは企業の情報などにあたります。
災害や戦争など
経済指標以外の要因もあります。
- インフレ率
- 政治
- 自然災害
- テロ
- 戦争
- 債権
- 原油
- 金
- 株価
- 不動産
- 景気
- 季節
例えば、東日本大震災やトランプ大統領、イギリスのEU離脱、コロナウイルスなどですね。
経済は色々なものが絡み合って、投資家が判断して為替相場が動きます。これらの相当な情報量をすべて分析するのは至難の業ですね。
ファンダメンタルズを意識している人が多いので、為替レートも大きく動きます。インパクトが大きければ大きいほど値動きも激しくなります。
経済指標などのイベントをカレンダーで確認
大きな経済指標発表の際はスプレッドが大きく開くことが多いので、取引する際は気を付けましょう。
経済指標は毎日FXサイトがカレンダーで教えてくれたり、アプリで確認もできます。どの指標が重要かどうかも教えてくれます。
私が確認しているのは、investingとかです。証券会社にもカレンダーがあるので、自分が使っている業者のサイトを見てみるのも良いかもしれません。
急激な値動きに対応するために事前にできることはしておきましょう。
テクニカル
チャートを見て分析することを、テクニカル分析と言います。ファンダメンタルズは視野に入れず、チャートの形や値動きだけを見て取引します。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析どちらが重要ということはありません。どちらも重要なので、併用して分析します。
チャートの形を見て上がりそうと判断して買う人が多ければ上がるし、下がりそうと思って売る人が多ければ下がります。
ファンダメンタルズ分析は必要なく、チャートが全てだという考え方もあります。
ダウ理論の1つの考え方で、ファンダメンタルズはすでに値動きに織り込まれているというものです。
情報を知ったころにはチャートはすでに動いています。つまりすでにファンダメンタルズが織り込まれた上でその動きになっているということです。
「値動きは全てを教えてくれる」という名言もあります。それくらいテクニカルは重要なものということです。
【FX】為替レートが動きやすい時間帯と通貨ペア
為替レートが動きやすい時間帯と、動いやすい時間帯があります。
なぜ時間帯別で動きが違うのか、どんな時間の時が動きやすくて動きにくいのか解説していきます。
日本時間4~6時~オセアニア系
日本時間の朝4時頃にニュージーランドのウェリントン市場(オセアニア市場)が開いて、6時頃にオーストラリアのシドニー市場が開きます。
あまり動きは活発ではありませんが、スワップ金利狙いや窓埋めの動きがある場合があります。
日本時間9時~クロス円
東京市場が始まりますので、少し動き始めます。昼前にシンガポール、香港市場が始まります。まだそこまで動き強くないでしょう。
9時から昼まで時間帯はクロス円やオセアニア通貨が大きく動きやすいです。
日本時間午後3~4時~ポンド、ユーロ
ヨーロッパ市場、ロンドン市場が動き出します。この辺の時間から動きが活発になり始めます。東京とニューヨーク市場に挟まれ、時間も被っているのでかなり値動きが活発になります。
メインとなる通貨はユーロやポンドが多いです。市場参加者は一番多い時間帯と言われています。
日本時間午後20~21時~ドルストレート
ニューヨーク市場が始まります。アメリカは経済規模が世界一で、ドルは流動性が最も高い通貨なので、この時間帯に発表されるアメリカの経済指標で値動きが激しく動きます。
東京、ヨーロッパの時間帯と比べると、1日で1番値動きが大きく、取引もしやすいです。日本のサラリーマンにとってはこの時間に大きく動いてくれているのは助かりますよね。
時間帯 | オープン市場 | メインで動きやすい通貨 |
4~6時~ | オセアニア市場 | オーストラリアドル、ニュージーランドドル |
9時~ | 東京市場 | クロス円、オセアニア系 |
16時~ | ヨーロッパ、ロンドン市場 | ユーロ、ポンド |
21時~ | ニューヨーク市場 | ドルストレート |
通貨の特徴は他にも色々ありますので、「通貨ペアのおすすめの選び方」に種類別の特徴や比較をまとめますので、良かったら読んでみて下さい。
【FX】為替レートが動かない理由
為替レートが動かない理由や時期はいくつかあります。
レートが動かない時間帯や時期を知ることで、無駄なトレードを避けることができます。
その時間のメインではない通貨ペア
上記で時間帯によってメインとなりやすい通貨ペアがあると言いました。その時間帯でない場合は、ある通貨ペアはほとんど動かないということもあります。
例えば、朝の時間帯にポンドやユーロは動きにくいです。
必ずそうなるとは限りませんが、時間帯はかなり重要なので覚えておきましょう。もちろん関係なく動く時もあります。
そもそも流動性がない
- 年末年始
- クリスマス
- 祝日
- 早朝
上記の場合は流動性がかなり低くなっているので、値動きがほとんどないこともあります。
しかもそのような時はスプレッドが大きく開いていることもあるので注意が必要です。
スプレッドが広がる理由や時間帯、時期はトレーダーは知っておかなければいけない情報です。「スプレッドの基本と仕組み」で詳しく解説しているので、良かったら読んでみて下さい。
土日
為替相場は基本的には土日は休みです。ですが、土日も実は動いています。
中東の国は土日休みという概念ではないので、土日も為替相場での取引が可能となっています。
週明けに窓開けが起こる理由はこれで、中東の国の人が取引をしているからです。
為替相場は人の意思で動いている
為替相場は人の意思が動かしています。
人が参加していないと動かないですし、参加していても売買の意思がなければ動きません。
為替相場は人が希望や恐怖、不安を感じている時が最も動く時です。
巻き添えになることもあるので、その様な時は慎重に取引することをおすすめします。
人の意思で動いている以上、完全に読むことは不可能なので、それを理解した上でトレードしましょう。
為替相場がどうして動いているのかはFXで勝つために重要ではない
よくどうしてこんな動きをしたのですか?なぜこんな動きをしたのですか?と聞かれることがあります。
何か経済や政治的なことで動いたのでしょうが、それを知ったところでFXで勝てる様にはなりません。
結局レートが動いた理由はいつも後付けであって、その瞬間は何で動いたかなんて誰にもわからないのです。
それを考えたところでわからないのに、FXで勝つためには全く必要のないことなので、そこを追及するのはあまり意味がないのでやめた方が良いと思います。
ただし、他の人たちがどう思っているのかは大事です。
まとめ
- 為替相場は人の意思で動いている
- 実需筋、投機筋がメイン
- ファンダメンタルズとテクニカルがある
- 祝日、クリスマス、年末年始などのイベント時は動かない
みなさんが為替相場の動く理由を学んで、上手く資金を増やせていけることを願っています。
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