- グランビルの法則って何?
- グランビルの法則のシグナルを知りたい
- グランビルの法則の使い方や手法を教えて欲しい
- グランビルの法則って勝てないの?
このような疑問が解決できる記事となっています。
グランビルの法則を初心者の人にもわかりやすく、詳しく解説していきます。
【FX】グランビルの法則とは?分かりやすく解説
グランビルの法則はジョセフ・グランビルというアメリカの証券アナリストが1960年代に考えた法則で、今でも多くのトレーダーに使われているテクニカル分析の1つです。
ダウ理論(19世紀後半)やエリオット波動理論(1930年代)と比べたら、まだ新しい考え方ですね。
株式相場を分析するための法則でしたが、現在では為替相場や仮想通貨相場など様々な相場で適応されています。
グランビルさんによると、株価が移動平均線(Moving average)から乖離(かいり)すると、再び移動平均線に収れんしていき、再度乖離していき、また収れんしていきます(移動平均乖離率)。
乖離というのは離れることで、縮まってまとまるみたいな意味があります。
このMAと価格の習性は相場の自然現象と思ってもらって結構です。
このMAと価格の習性を活かして、売買する8つのタイミングを見つけたものがグランビルの法則です。
まず移動平均線が何かを知ってから読み進めた方が理解しやすいと思います。
MA(移動平均線)の習性+価格の動き=グランビルの法則?
グランビルの法則がなぜ重要なのかというと、価格は当然ですが、MAはインジケーターの中でも特に世界中の投資家が注目しています。
理由はMAはわかりやすく、単純で、優秀なインジケーターだからです。
MAと価格が組み合わさってしまうと、自然現象であるグランビルの法則が出てきてしまうので、多くのトレーダーに意識されるのは当たり前のことです。
自然とグランビルの法則が出るから意識せざるを得ないと言いますか。
- MAは世界で一番使われているインジケーター
- →MAと相場の組み合わせはグランビルの法則が自然に発生
- →多くの投資家はMAを見るからグランビルの法則を自然と意識する
グランビルの法則は使えない?勝てない?
グランビルの法則を使えば相場で勝てるかどうかですが、相場で勝つために1つのことだけでは難しいでしょう。
手法も大事ですし、資金管理も大事です。メンタルケア、テクニカルの知識、ファンダメンタルズ、リスクリワードなど相場で勝つためには様々な必要なことがあります。
なのでグランビルの法則で勝てるかどうかの議論はするだけ無駄です。
ただ、グランビルの法則は相場の原理原則なので、覚えておいて損はありませんし、取引するところはグランビルの法則が自然と絡んでいることが多いと思います。
つまりトレーダーがグランビルの法則を意識しなくても、自然と意識しているということです。
【FX】グランビルの法則の基本「8つの売買シグナル」
グランビルの法則の売買ポイントを図を使って簡単に解説していきます。8つのポイントがありますが、全て覚える必要はなく、どの売買ポイントを覚えたら良いかは後で説明しますね。
【グランビルの法則】4つの買いサイン
買いのサインのポイントごとに図解を使って説明します。
MAブレイクでロング
移動平均線が横ばいあるいは上向きになってきているところをブレイクしたら買いサインです。
エリオット波動理論でいうと、1波に当たる部分になることが多いでしょう。
下降トレンドの終わりから新しい上昇トレンドの始まりの部分なので、ここで買うには少し勇気がいります。
多くの投資家は戻り売りを狙っている位置でもあります。見極めが中途半端だと戻り売りで狩られる可能性もあります。
押し目買い
2つ目の買いサインは、一回MAを大きく抜けた後に再度MAまで戻ってきて、MAを反発したところが押し目買いのポイントです。
MAでピッタリ反発することもありますが、この画像のように少し抜けた後伸びていくことも多いです。
最初の押し目買いポイントで、MAも完全に上向きなので、比較的手を出しやすい部分です。
エリオット波動理論でいう一番大きな値幅になりやすい3波なので、ここは値幅を取りに行きたいところです。
ここでトレードする投資家はトレードが上手い人が多いです。
追随買い
3つ目の買いサインは、2つの目の押し目買いの後の戻りで、MAにタッチするかしないかくらいの位置になります。
MAにはタッチすることもありますが、しないでそのまま伸びていくこともあります。ここも押し目買いにはなりますが、追随でロングしてくる人が多いです。
ここでもMAは上向きで、押し目買いのわかりやすいポイントはあります。
エリオット波動理論でいう5波の値幅を取りにいくので、利益の伸ばし過ぎには注意が必要です。
ここでは一般投資家や多くのトレーダーがトレンドに気付いて参加してきますが、ある程度伸びたらプロの投資家は利確する付近でもあります。
MA乖離でロング
上昇トレンドの転換点の可能性が見え始めて、一気に下落して移動平均線と乖離したところをロングします。
MAは下向きで、完全な逆張りになるので保有期間は短く、短期売買になることが多いです。
まだトレンドが継続していると思っているトレーダーが、押し目買いしてくるポイントでもあります。
しかし、トレンドは転換しているので、ロング勢のロスカットを巻き込んで下落していきます。ある程度上昇したら戻り売りのポイントになってしまうので要注意です。
【グランビルの法則】4つの売りサイン
売りのサインのポイントごとに図解を使って説明します。
MAブレイクでショート
上昇トレンドの転換点で移動平均線を下にブレイクするところが売りサインです。移動平均線は横ばいか少し下向きになり始めています。
エリオット波動理論でいう1波です。まだトレンドの転換点かどうかも分からない場合は、ショートするのに勇気がいります。
このポイントは初心者やトレンドの転換点の見極めに自信がない人は手を出さない方が良いと思います。
押し目買いを狙っているトレーダーも多く、間違えやすいポイントとなります。
戻り売り
2つ目の売りサインは、移動平均線を下にブレイクして、再度買われてMAにタッチあるいは抜けたところを戻り売りします。
エリオット波動理論でいう3波です。大きな値幅が期待できるポイントなので、あまり見逃したくない部分ですね。
MAタッチで下がることもありますし、画像のように一度抜けた後に下がるパターンもあります。
移動平均線の向きは下向きなので、とてもわかりやすい売りポイントです。
ダウ理論でいう押し安値が切り下がっていて、上にサポレジラインなどの抵抗帯がれば、なお自信を持って売って良いでしょう。
多くの上手い投資家が参加してくるポイントなので、乗り遅れないようにトレードの準備をしておきましょう。
追随売り
3つ目の売りサインは、戻り売りの後に少し反発が見られ、MAにタッチするかしないかのところがショートの目安です。
MAの傾きは完全に下向きで、わかりやすい売りポイントになります。
エリオット波動理論でいう5波で、誰もがトレンドを認識し、売ってくる部分ではありますが、次に調整やトレンド転換がくる可能性が考えられるので、そこまで利益を伸ばす場面ではありません。
そしてプロの投資家は利確するポイントでもあるので注意が必要です。
MA乖離でショート
下降トレンドから転換点あるいは調整でMAを上にブレイクしていき、MAと乖離したところをショートするポイントです。
トレンドが転換している可能性、レンジ相場の可能性が考えられるので、利益を伸ばすトレードではなく、スキャルピングやデイトレードなどの短期売買になることが多いポイントになることが多いでしょう。
一般的には戻り売りのポイントではありますが、安値を更新せずに上昇していく可能性が高いポイントでもあるので、利確位置を直近安値にすると、反転して含み損が膨らんでいくこともあります。
トレンドの転換点の見極めに自信がない人や初心者の人にはおすすめしないポイントです。
エリオット波動理論とグランビルの法則が深く関係していることに気づきましたか?
どちらも知っておけば、より相場を深く理解することができ、トレードに活かすことができます。
エリオット波動理論の基本的なことや手法については、こちらの記事にまとめましたので良ければ読んでみて下さい。
【FX】グランビルの法則の基本的な使い方
グランビルの法則はどのようなものかわかったけど、実際どうやって使えば良いかがわかりませんよね。
どのように使えば良いのか、詳細を説明していきます。
基本的には逆張り
グランビルの法則の売買サインの位置を見ればわかると思いますが、基本的に逆張りトレードになっています。
上昇して下がってきたところをロング、下降して上がったところをショートですよね。
下がってきたところをロングなので、逆張りですよね。ただ、その一回り大きいトレンドでは順張りになります。
大きな流れでは順張りで、小さい流れで逆張り、これがリスクを最小限に抑えて利益を最大限に伸ばすことが可能なトレードになります。
だから見る時間軸は非常に重要になります。
時間足(時間軸)
見る時間軸は1分足でも30分足でも、1時間足、4時間足、日足、どの時間足でも良いです。なぜなら相場はフラクタル構造で、グランビルの法則はどの時間軸でも発生するからです。
ただ、上記の通り大きなトレンドの流れと、小さな流れを把握しなければならないので、上位足と下位足を見るのは必須です。
なので色々な時間軸を見るマルチタイムフレームの考え方は必須ですね。
ただ、全ての時間軸を見る必要はありません。自分が定義する長期の時間軸と短期の時間軸で大丈夫です。
これは人によって違うので、自分が見慣れている時間軸で良いと思います。
私の場合は4時間足以上(日足、週足、月足)が長期、30分足と5分足が短期で考えています。
MA(移動平均線)の期間は何日に設定?
基本的にどの期間でもグランビルの法則は発生します。
75や200が一般的には良いとされていますが、個人的には75の方が使いやすいと思います(時間軸にもよる)。
実際にチャートに色々な期間の移動平均線をMT4や他プラットフォームに表示させてみて、グランビルの法則が効きそうな期間のMAを残せば良いと思いますよ。
ダウ理論と組み合わせて使う
先ほどはエリオット波動理論と組み合わせて使うと、相場を深く理解できると言いましたが、ダウ理論にも同じことが言えます。
これらはどれも相場の本質的な内容となっているので、通ずる部分があります。
なので組み合わせ使うことで、より相場の原理原則を理解することができると思います。
ダウ理論のトレンドの種類や段階、トレンドの継続に関することなど、どれもグランビルの法則と併用することができます。
ダウ理論とエリオット波動理論とグランビルの法則は似ているようで、全然違う理論なので、それぞれの概要くらいは知っておきましょう。
ダウ理論についてあまり知らない、どんな理論だっけ?という人は、ダウ理論の基本や使い方、手法をまとめた記事がありますので読んでみて下さい。
初心者は押し目買い、戻り売り
グランビルの法則では8つの売買ポイントがありましたが、この全てでトレードする必要はありません。
自分の得意なパターンやポイントだけでトレードすれば良いのです。
特に初心者やあまり自分のトレード方法がない人は、押し目買い戻り売りのポイントだけ狙って取引することをおすすめします。
このポイントが最もリスクを抑えることができますし、売買するポイントがわかりやすく、利益も伸ばしやすいです。
MAブレイクとMAタッチに関して
MAをブレイクしたらロングやショートというのが売買シグナルでしたが、少しでもブレイクしたら売買すれば良いという訳ではありません。
ポイントはローソク足の終値です。
MAをローソク足の終値で超えたかどうかが重要です。終値がMAをブレイクしたら、多くの投資家が明確にブレイクしたと判断するので、それがシグナルとなります。
終値を待たないと、MAを超えたはいいけどヒゲとなって戻っていくというパターンもあるので、ローソク足の終値はかなり重要です。
終値?と思ったローソク足の知識が不足している人は、ローソク足の種類や心理についてこちらの記事にまとめましたので良ければ読んでみて下さい。
MAタッチについては、MAにタッチした時のプライスアクションやチャートパターンなどで反発を確認できると、自信を持ってエントリーできると思いますよ。
プライスアクションとチャートパターンの種類や手法については、こちらの記事にまとめましたので良ければ。
グランビルの法則のシグナルを表示してくれるインジケーター
グランビルの法則のシグナルを表示してくれるインジケーターはあります。
無料でダウンロードできますので、「グランビルの法則 インジケーター 無料」で検索してみて下さい。
ただ、インジケーターでシグナルを確認することはあまりおすすめしません。
インジケーターは臨機応変に対応してくれません。シグナルが出るべき時に出る時もありますが、出るべきではない時にも出してくれます。
あと、シグナル頼りでトレードしていても絶対に勝てません。それで勝てるなら誰もがお金持ちになりますよね。
自分で判断するけど、視覚化してわかりやすくするために入れるのはアリだと思います。
【FX】グランビルの法則を使ったトレード手法
グランビルの法則の使ったトレード手法をいくつか紹介していきます。
ゴールデンクロス(デッドクロス)でグランビルの法則のサインはNG?
移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスをグランビルの法則のシグナルと判断し、トレードの戦略を立てます。
赤〇がグランビルの法則のサインで、赤のMA(期間75)と黒のMA(期間25)がクロスしていますよね。
最後のサインだけはクロスする前に下がっていますが、これはよくあるパターンです。
わかりやすいサインですが、MAがクロスした頃にはだいぶ下がってしまっていることが多いので、シグナルとしては遅いです。
MAや他インジケーターもローソク足の平均値で算出しているので、どうしてもシグナルとしては遅くなってしまいます。
例えば、クロス系のシグナルや売られ過ぎ買われ過ぎなど。
ではどうしたら良いか、最短でシグナルを教えてくれるローソク足の動きを見るしかありません。
パーフェクトオーダーとグランビルの法則を使った手法
パーフェクトオーダーはMAが収れんした後、大きな値動きで価格とMA同士も乖離していくことです。
値動きが収束していた分、動き始めたら結構大きく動くのが特徴です。パーフェクトオーダーを捉えることができれば、大きな値幅を取ることが可能となります。
MAが収束していてトレンドが始まった際に、グランビルの法則で押し目買い戻り売りします。あとはMAが乖離していくのを待つだけです。
あるいはパーフェクトオーダーが起こっている間、押し目買い、戻り売りを何度も繰り返すパターンもあります。
長期でポジションを保有したくないのであれば、何度も繰り返せば良いと思いますし、サラリーマンのような時間に限りがあってチャートを見れない人はスイングトレードのように長期で保有しても良いと思います。
リスクリワードの良いトレードができれば、勝率が低くても口座残高は増やすことができますよ。
グランビルの法則とインジケーターを使った手法
- トレンドライン
- 水平線ライン(サポレジライン)
- RSI
- フィボナッチリトレースメント
- 値幅計算
- 移動平均線
少し使い過ぎな感じもありますが、あくまで実例なので。
赤い〇でエントリーです。根拠はサポレジラインとグランビルの法則の戻り売り、トレンドライン3回目タッチ付近、フィボナッチ38.2%~61.8%戻し、RSIのダイバージェンスです。
損切ラインは前回高値の緑のライン、利確はフィボナッチ138.2%~161.8%、N計算付近です。リスクリワードは1:2以上。
MAやRSIなどのインジケーター、ライン、グランビルの法則でエントリータイミングを見極め、フィボナッチや値幅計算で未来を予測します。
グランビルの法則には慣れが必要です。
チャートにMAを表示させて、過去チャートを見て練習と検証をしていれば、どこで売買すれば良いかがわかってきますよ。
まとめ
- グランビルの法則は相場の原理原則
- グランビルの法則はMAを使っていれば自然と意識している
- グランビルの法則は8つの売買ポイントがある
- どの時間軸でもOK
- グランビルの法則は基本逆張り
- 期間は20、25、75、200
皆さんがグランビルの法則を使って、上手く資金を増やせていけることを願っています。
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